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小島信夫さんという作家が好きで、だいたいはこれは小島さん本人だろうというお話なんだけれども、書かれていることは迷路のような一本道で、今ここが常に書かれているとも言えるけれども、曖昧で、輪郭がぼやけていて、霧の中のようなよく見えない、今、あるいは記憶、が、小島さんが書いているその瞬間瞬間に原稿用紙に書きつけられていて、思いつくまま、というほど悠長でもなく、書かなければ、というほど切迫しているわけでもなく、誰がどうしてこれを書いているのか誰もよくわかっていない、みたいな文章が、なぜだか途方もなくおもしろい。文庫本でも高いやつで割と出てたり、古本屋で本当に古い感じでハードカバー、ケース付きみたいな感じで売られていたり、安かったり高かったりして、文章も読みにくいといえば読みにくいので、ぽんぽん読める感じではないけれども、たまに読んで楽しんでいます。古本屋で「うるわしき日々」見つけたので読んでいます。